糖尿病(一般の方向け)

病態 〜なぜ血糖値が上がるの?〜

前回の記事を元に、今回は糖尿病の方でなぜ血糖値が上がるのかについて解説します。

前回の記事を読んでない方はこちらを先にどうぞ↓

糖尿病で血糖値が上がる原因

一言で表すと、「インスリンの作用不足」です!

前回の記事で説明したように、糖質を消化・吸収して血液の中に入ったブドウ糖は、インスリンの力で細胞の中に入れるようになります

つまりインスリンがうまく働かなくなれば、イラストの左側のようにブドウ糖は細胞に入れない状態になります。

すると、血液の中ではブドウ糖があふれますね。

これが血糖値が上がるメカニズムです。

なるほど、意外と簡単だね。
でも、なんでインスリンがうまく働かなくなるの?

トワ
トワ
やっぱりそこが気になりますよね。
インスリンの作用が落ちる原因としては、2つのパターンがあります。

インスリン作用低下の2つのパターン

インスリンの作用が落ちる原因は、

  • インスリン抵抗性
  • インスリン分泌能低下

の2つのパターンがあります。

インスリン抵抗性

言葉でなんとなく分かるかもしれませんが、インスリン抵抗性とは、

「インスリンが効きづらくなること」

です。

身体についている脂肪が多くなるとインスリンが効きづらくなる(=インスリン抵抗性が上がる)ことが知られています。

反対に筋肉が多くなると、インスリンは効きやすくなります(=インスリン感受性が上がる)

太ってしまってインスリン抵抗性が上がると、膵臓は血糖値を下げるためにインスリンをたくさん出します。

それでもインスリンの量が追いつかなくなると、ついに血糖値を下げきれなくなり糖尿病を発症します。

実際に生活習慣の乱れで太ってインスリン抵抗性が強くなり、血糖値を下げきれなくなることで糖尿病を発症するパターンが一番多いです。

反対に、食事・運動に気を付けた生活をしっかり続けて、脂肪を落として筋肉をつければ血糖値が上がりにくい体質になります!

インスリン分泌能低下

インスリン分泌能とは、「インスリンを膵臓からどれだけ出せるか」という能力を表します。

つまり「インスリン分泌能低下」とは、

膵臓からインスリンを出す力が落ちている状態

です。

インスリンの分泌が低下してしまうのは、

  • インスリン抵抗性が強い状態が長く続き、膵臓が無理をして疲れてしまった
  • 遺伝的にインスリンをあまりたくさん出せない体質

が主な原因です。

糖尿病の方では、インスリン抵抗性とインスリン分泌能低下の両方が関与して血糖値が上昇します

インスリン抵抗性/インスリン分泌能低下と体型

前回の記事で説明した通り、インスリンは「食べた糖質をエネルギーに変えるためのホルモン」です

細胞はブドウ糖を得ることで、いろいろな仕事をしたり、増殖したりします。

つまりたくさん食べた分だけインスリンがたくさん出ることで、細胞が増えて身体が大きくなります

逆に考えると、

太れる人=インスリンをたくさん出す力がある人

とも言えます。

反対にインスリンをあまり出せない体質の人であれば、太る前に膵臓に限界がきて、血糖値が先に上がり始めて糖尿病を発症します

このことから、私のような糖尿病を専門とする医師は、患者さんの体型を見て、

トワ
トワ
この人は太っているからインスリン抵抗性は強そうだけど、インスリン分泌能はありそうだな

トワ
トワ
この人は痩せているからインスリンがあんまり出てなさそうだな

などと考えながら診療をしたりしています。

別の記事でいずれ解説する予定ですが、このインスリンを出す力が残っているかどうかで治療方針が大きく変わります!

まとめ

まとめです。

糖尿病の方で血糖値が上がってしまう原因は「インスリンの作用不足」です。

そのインスリンの作用が落ちる原因は、

  • インスリン抵抗性   =インスリンが効きづらくなる
  • インスリン分泌能低下 =インスリンが出づらくなる

の2パターンがあります。

また、インスリンは身体を大きくする作用があるので、

  • 太っている人:インスリンはたっぷり出てるけど、抵抗性が強くて血糖値が上がっている可能性が高い
  • 痩せている人:インスリン分泌能が低下して血糖値が上がっている可能性が高い

という風にイメージすると分かりやすいです。


いかがだったでしょうか。

今回は糖尿病の方で血糖値が上昇してしまうメカニズムを説明しました。

次回は「糖尿病になるとどのような症状が出るのか」を解説する予定です。

当サイトでは、今後も糖尿病をはじめとした生活習慣病に関する知識を随時更新していく予定です。

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